網の中の魚とハッキリ目が合う

「養殖ビジネス」に書評を載せていただきました

月刊「養殖ビジネス」1月号に『沖縄 最後の追い込み漁』の書評を載せていただきました。漁業体験の記事を連載していたご縁。

編集部の根本淳矢さん、本当にありがとうございます!

この雑誌、専門誌ではありますが、養殖業の現場のリアルがビンビン伝わって、魚介や海の自然に興味のある(わたしのような)一般人が読んでも、とても面白いのです。

1月号の特集は「やっかいもの」。漁具や貝殻につく付着物、天敵による食害、施設からの魚の逸出などをいかに防ぐか。素材の工夫から最新のAIまで、まさに自然との知恵比べです。

最近、各地の漁師さんから「昔に比べて海の生命力が弱い。ロープや船に付着物がつかなくて、気持ち悪いよ」などという話を聞きますが、今月号を見るとそうでもなさそうです。

養殖ビジネス 書評 大浦佳代著

大浦佳代著
「沖縄 最後の追い込み漁 宮古島狩俣集落・友利組」発刊

 沖縄県に残る伝統漁法「追い込み漁」。宮古島北端にある狩俣という集落で行われている漁業であり、島周辺の浅いサンゴ礁で実施されている特徴的な漁法だ。明治中期に糸満で生まれた追い込み漁は、九州や伊豆諸島などの日本各地、海外にまで広がった。しかし、1970年代以降、近代化とともにその数は激減し、現在本格的に実施しているのは宮古島狩俣の「友利組(ともりぐみ)」だけとなった。
 本書は、友利組を筆者が約20年かけて取材した様子を、豊富な水中写真などとともに筆者視点で語るノンフィクションの読み物である。1章では追い込み漁の現状や漁法の歴史をひもとき、2章では友利組の親方である哲雄さんの70年余りの漁師人生をさかのぼりつつ、沖縄と宮古諸島の漁業史に触れる。3章では追い込み漁で獲れる魚についてまとめ、宮古島の食文化における追い込み漁の価値を考える。4章では素潜り漁でどのように体が使われてきたのか、その身体性にスポットを当てる。5章では海の安全と豊漁を願う信仰や縁起担ぎ、沖縄特有の民間巫者「ユタ」の存在、さらには狩俣の女性たちが数百年にわたり伝えてきた地域固有の祭祀など、彼らが心のよりどころとする世界をのぞく。6章では「持続可能性」をキーワードに、転期を迎える狩俣集落の取り組みと追い込み漁の未来を展望する。

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